* 返せない負債の解決方法について

 2007年7月1日から、負債(1件のみの過払い金請求も含む)の法律相談を、1回30分に限り、無料とします。これは、負債の相談が、人権救済的な活動の要素も持っているという観点から、弁護士会が無料化に踏み切ったことに合わせたものです。

1 多重債務の現状
 現在、一般的な法律相談の中で最も多い相談が、借金の問題です。相談が多い理由は、消費者金融(いわゆるサラ金)が、本人の返済能力を十分審査せずに、到底返済できないような額を貸し付けること(収入のない学生や、専業主婦の方に貸し付ける場合も多いことはよく知られています)や、利息が高すぎて、現在の超低金利時代と合っていないことなどが原因だと考えられます。

 また、現在の多重債務(いくつもの金融機関から返済不能な多額の借入をすること)の原因で最も多いのは、生活苦型だと言われています。

 給料を減額された、リストラにあって生活費がなくなった、突然の出費が必要になって生活費が足りなくなった、等をきっかけとして30万円程度の借入を行ったところ、その後だんだん借金がふくらんだなどというケースが多いようです。

2 多重債務の解決方法

 借金問題の解決方法は、大きく分けると二つです。

 一つは、分割して返済する方法(任意整理)、もう一つは、破産申立を行い、返済をしない方法です。

 ほとんどの方は、返済を希望されますが、現在ある負債総額を50で割った額が毎月返済できなければ、債権者(お金を貸した金融機関)との交渉ができません。収入や、生活の状況をお聞きした上で、可能であればお受けすることもありますが、不可能であれば、ほかの方法をご説明することになります。

 親族等の援助で、返済金が一括で準備できる場合も、弁護士を利用した方が有利な解決ができます。長期分割と比べると、一括返済は債権者にとっても有利なので、100%配当でなくとも示談ができる可能性が高いからです。

 もう一つの破産については、いろいろな誤解があるようです。

 破産は、返済できない多額の借金に一生縛られていくのでは、人間としての最低限度の生活を維持できないため、いったんその重荷を外すことによって、やり直しをしてもらう制度です。破産宣告を受けたからといって、選挙権がなくなったり、戸籍や住民票に何か記載されると言ったことはありませんし、個人責任ですから、配偶者や子供に迷惑をかけることもありません。

 破産宣告を受けた場合、弁護士や税理士、その他のごく一部の職種を除いては、仕事を継続して行えます。多くの方は会社務めを継続されています。

 浪費やギャンブルを原因とした借金は、免責されないこともありますが、条件付きで免責されるケースも多いようです。

 負債額が300万円を超えるようなケースでは、ほとんどが、破産を選択した方がよい解決となるようです。

 この任意整理と破産の中間の制度として、民事再生があります。

 民事再生は、債権額の2割(ただし最低100万円)を、3年間かけて返済すれば、その残りの部分を免除するというものです。

この制度は、どうしても住宅ローンだけは払って自宅を守りたいという方には便利です。

複雑ですので、詳細については、直接相談されることをおすすめします。

相談される場合は、債権者が何社で、負担総額がいくらか、家計での月収がいくらか、等を明らかにしてお越し下さい。

3 過払い金の請求について
 任意整理では、消費者金融等の貸金業者の定める約定利率(通常、貸金業法で定める29.2%程度)と、利息制限法所定利息(10万円以上100万円未満について18%)との差額を、元本に充当して元本の計算をし直す、「引き直し計算」によって、残った債務について、将来利息を付さず、元本を支払い終えれば、他の約定債務を免除するという交渉を、弁護士が直接個別の貸金業者との間で行います。
 取引期間が長期に及び、過払い金(充当の結果元本がないばかりか、返還請求ができる場合の不当利得額)が戻ってくる場合もあります。
 私が依頼を受けた事件でも、夫婦2人とも民事再生を予定していたところ、ほとんどの負債が20年程度借入と返済を繰り返していたため、引き直し計算によって、負債はなくなり、逆に過払い金が数百万円戻ったという事例もあります。
 破産せざるを得ない場合であっても、弁護士費用分程度は、過払い金によってまかなえる場合もあります。
 長期間(10年程度)、まじめに高い利息を払っている人は、相談してもらえれば、お金が戻る可能性があります。

4 ヤミ金について
 また、トイチ(10日で1割)、シュウイチ(1週間で1割)などの出資法違反の犯罪行為に該当するヤミ金融や、押し貸し(依頼してもいないのに、トイチなどの高金利での貸付を依頼したことにして一方的に貸金を送金し、その後恐喝により違法な債権回収を図るもの)なども横行しています。
 これらの行為がいずれも犯罪行為に該当することは疑う余地もありません。
 また、その多くは暴力団であり、その資金源になっていると指摘されています。

 その解決方法は、まずは弁護士に相談することです。
 弁護士が依頼を受けて交渉をすれば、おおむね8割方は何とか解決がつきます。
 それでも解決しない分については、最寄りの警察署と相談の上対応する必要があります。
 ヤミ金交渉については、きちんと責任を持って対応する弁護士を依頼するしかないので、お困りの方はご連絡下さい。