* 具体的な解決事例のご紹介

 交通事故一般もよく取り扱っています。
 多少特殊なのは、医学的知識を要する後遺症の認定をめぐる交通事故です。
 事故後の後遺症(法律用語では「後遺障害」といいます)について、自賠責が後遺症が存在しないと言ったり、実際よりも低い等級しか認定してくれない場合に、異議申立を行ったり、訴訟をおこして、正当な後遺症にもとづく被害回復を求めるものです。

* 後遺症に関する最近の解決事例
 2012年に、福岡県内にお住まいの30代の女性から依頼を受けた事件です。
 自動車で赤信号に従って停車中、追突されました。頚椎捻挫を主な傷害として、2ヶ月入院、その後1年以上通院を余儀なくされました。2011年に症状固定しましたが、自賠責では、頚部痛のみ14級の後遺障害と捉えられ、右上肢の痛み・しびれ等は後遺障害とは認定されませんでした。
 相手方の保険会社から、14級だが短期間で後遺障害が消失する見通しという前提で約180万円の支払いで示談してほしいという提示が来ました。
 この時点で、事故後に発見された外傷性ヘルニア(C5/6)と、右上肢の痛み・しびれから後遺障害12級と認められるかどうか等の調査の依頼を受けました。
 調査の結果、短期間で消失する後遺障害とは考えがたいというものでした。
 そのため、2013年1月に提訴しました。
被害者ご自身が、専門職の第一歩を歩き出されていたときに事故に遭い、それ以前と同じ業務ができなくなっておられました。ただし、症状の多彩さのため、医師によって、外傷性ヘルニアの影響であるという見解と、そうではないだろうという見解とがありました。
 提訴後もさらに検討を重ねて、12級相当であることの主張・立証を尽くしました。
 通院されていた医療機関が多く、提出されたカルテも多く、裁判所には伝わりづらいかなあと思った時期もありましたが、症状や不自由さの一貫性がきちんと伝えられるよう努力しました。
 主張が出尽くした時点で原告本人尋問が行われました。
 その職業を目指した志や、順調に進んでいたキャリアが事故により止められた無念さが訴えられました。
 尋問終了後、裁判官から和解勧告がありました。
 被害者は、裁判官から「今まで、大変つらい思いをされてきましたね。」と優しく声をかけられ、「裁判をしてよかった。」とおっしゃいました。
 2014年3月、後遺障害12級相当で、940万円を支払うという内容の和解が成立しました。
ご本人も、金額うんぬんよりも、自分のつらさや無念さを理解してもらえた、認めてもらえたと喜んでおられました。

* 後遺症を争った事例1
2008年に、福岡市内にお住まいの男性から依頼を受けた事件です。
 自動車で走行中に、追突されました。治療を終え、これ以上は治らないという状態(症状固定)になりました。
 むち打ち事故後の左足のしびれなどの症状がありましたが、自賠責では、当初「非該当」(=後遺症がない)とされました。
 任意保険から、あと約80万円を支払っておわりにしてほしいという提案が来ていました。
 私は、この時点で相談を受けました。見通しが立つかどうかの調査と交渉の依頼を受けました。整形外科にお話を聞きました。見通しが立ったので、意見書を作成して頂き、自賠責に対して異議申立(1回判断した機関に再検討してもらうこと)をしました。
 すると、2008年10月に、14級に認定(変更)されました。理由としては、事故当時から症状の一貫性が認められるなどと言うことでした。
 しかし、私は、MRIで椎間板ヘルニアがあるとの指摘があること、神経学的検査で、一致する所見があることから、12級相当と考えました。
 そこで、裁判で決着をつけるために、2009年2月に提訴しました。
 医学論争になったので少しだけ時間がかかりましたが、2010年11月に、後遺症を12級と認める地裁判決が出ました。
 高裁に控訴されましたが、2011年3月に、後遺症12級を前提として、1000万円を支払う和解が成立しました。
当初の、「後遺症に該当するものがないので、あと80万円です。」という示談提案は実態と異なっていました。正しい医学調査により、正しい後遺障害の認定と被害回復を実現しました。
 この方は、ご自分の任意保険で、「弁護士費用特約」をつけておられたので、弁護士費用は、全額ご自分の保険会社から支払われました。
 (なお、被害者の受け取る損害賠償金は、非課税となります。)

* 後遺障害を争った事例2
 2006年に相談を受けた事例です。
 交差点でバイクで直進中、右側からの直進車両と衝突し、あごを5針縫いました。
 事故後4か月で、治療を打ち切って、約40万円を支払って示談したいという提案が保険会社からありました。
 ところが、事故後1年以上たった時点で、右あごの骨折が起こっていたこと、そして、不規則な形でつながっていたことが判明しました。
 保険会社とどう対応したらいいか分からないとのことで、また、ご家族が交通事故の弁護士特約に加入されていたので、交渉の依頼をしたいと言われました。
 まだ、見つかった骨折に対する治療やリハビリが必要な状態でしたので、普通は交渉のご依頼を受けるには早いのですが、お困りだったので、ご依頼を受けました。指示したことは、治療に専念して下さいと言うことでした。
 事故後3年たって、そしゃく障害(食べ物がきちんとかめないこと)が残り、自賠責で後遺症10級とされました。
 保険会社は、約700万円の支払いをする示談提案をしてきました。
 私が試算すると、約2500万円だったので、訴訟をお奨めしました。
 交渉段階で、相手方が自分の過失を全部否定していたため、事故の状況が実際にどうだったのかも争点となりました。
現場を見て写真撮影報告書を作成し、目撃者からの聴き取りを行って証拠として提出しました。
 保険会社からは、「数年で後遺症がなくなるはずだ」と言われました。しかし、事実に反していますし、そしゃく障害が比較的まれなので、どういう支障があるのか、今後どういうリスクがあるのかを中心に、専門医から聴き取りをして証拠として提出しました。
 提訴して1年足らずで和解ができました。和解金は2400万円でした。
弁護士特約からほとんどの弁護士費用が支払われました。
 よくある後遺症とはいえない後遺症(非典型後遺症)は、医学的な因果関係(事故のせいでそうなったといえるか)、障害の評価(重いのか軽いのか)等をめぐって争点になりやすいものです。
 医師でない弁護士が調査することには限界もあります。しかし、医療事故を取り扱っている弁護士であるからこそ、医師の専門的見解を裁判所向けに翻訳して、ありのままの被害をできる限り認めてもらうことができると思っています。

* 後遺障害を争った事例3
これも2006年に福岡市内に在住の40代の女性から相談を受けたものです。
運転席の後ろに座っていたら、青信号で交差点に進入したときに、左から信号無視をしてきた車に衝突され、車の外に飛び出したという事案でした。
 全身を強打し、肋骨骨折などのため1か月の入院を要する重傷でした。
 事故後5か月して、左足がしびれ、外傷性腰椎椎間板ヘルニアと診断され、通院しました。
 これ以上医学では治らないという症状固定になりました。
 しかし、①胸が痛くて苦しい、②左足の痛み、しびれで長く歩けない、という後遺症が残りました。
 自賠責では、胸部痛について14級、左足の後遺症は「非該当」とされました。
 主治医の先生に面談してお話を聞き、意見書を作成してもらい、これを添えて自賠責に異議申立をしました。
 すると、今度は、胸部痛について12級、左足の後遺症は「非該当」のままでした。非該当の理由は、ヘルニアが発見されるまでに事故から5か月たっているから、事故のせいでヘルニアになったかどうか(因果関係)が不明であるとのことでした。
 この結果から、任意保険の会社から、約340万円を支払うことで示談してほしいという連絡が来ました。
 私は、胸部痛については、仕事をするのに制限が出るもっと重い等級である可能性があり、ヘルニアによる左足の後遺症については、因果関係はあって、これだけでも12級だと考えたので、ご本人と相談した上で、2007年に提訴しました。
 1年半後、判決が出ました。
 事実認定の中で、左足の後遺症に対する事故との因果関係を認め、ほぼ、12級と12級の併合で11級と判断したものに近い後遺症認定がなされました(後遺症慰謝料400万円、67才まで、労働力喪失率20%)。
 1審判決に、双方控訴しなかったので確定し、任意保険の会社から、すぐに2000万円強の保険金が支払われました。
 この件も、交渉段階の提案はわずか340万円でしたが(しかも、これは異議申立後の額)、それが医学的に正当な後遺障害の評価について、主治医の先生のご説明を裁判所に翻訳して伝えることによって、6倍になりました。
 この件は、被害者ご本人は、体の痛みと不自由さで元気をなくしていて、当初あまり裁判に積極的ではありませんでした。見通しをお伝えしたときに、ご家族が奨められたので、決断されました。しかし、判決が出たときには、ご自分のつらさ、不自由さがきちんと認められたという思いで、明るい表情でした。
 後遺症があるかた、苦しいかたほど、損害も大きいといえます。あきらめて示談してしまう前に、弁護士に一度ご相談下さい。
 2013年4月1日から、交通事故のご相談は、初回30分に限り無料と致します。